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パウル・クレー  だれにも ないしょ。

2015年9月19日 〜 2015年11月23日

兵庫県立美術館

所在地:

(1879-1940)ほど、「秘密」を愛した近現代の画家はいないといっても過言ではないでしょう。パズルのピースを思わせる断片的な作品の姿は、それらがつながったときに現れるであろう全体や、どこかたわいない遊びを感じさせます。
 近年の研究により、例えば作品の下塗りの層や裏側に、もうひとつ別のイメージを意図的に“埋蔵” するなど、この画家が仕掛けた密やかな暗号の全貌が、明らかになりつつあります。
 クレーは日本でも高い人気があり、これまでも充実した個展が開催されてきました。それらの成果を踏まえ、本展ではクレーが何を描き、どうスタイルを展開させ、どのような手順で作品を作ったかという紹介をするとともに、クレーの謎を正面から考えます。キーワードは「秘密」。謎解きだけではなく、常にミステリアスな気配をまとうクレーの思考と感性に分け入ることも目指します。そのため本展では、時系列ではなく、6 つのテーマで構成します。
 質・量ともに、クレー作品の重要なコレクションを擁するベルンのパウル・クレー・センターおよび遺族コレクションの全面的な協力を得て、日本初公開31 点、国内のコレクションを含む110 点あまりを展示。親しげで深いクレーの世界を通じ、見る人それぞれが心に秘めた原景を呼びさまされる、得がたい機会となることでしょう。

パウル・クレー  (1879-1940)
 20 世紀を代表する画家のひとり、パウル・クレーは1879 年、ベルン近郊ミュンヘンブーフゼーに生まれた。父はドイツ人の音楽教師、母はスイス人の声楽家という家庭に育つ。音楽は生涯にわたり、クレーの創作の大きな糧となった。1900 年、ミュンヘン美術アカデミー入学。画家として出発した当初は、鋭く辛辣な線描による風刺的な表現が重要な役割を果たした。それは次第に、自分自身を皮肉るような独特の可笑しみに深められていく。1906 年にはピアニストのリリー・シュトゥンプフと結婚し、翌年、息子フェリックスが生まれる。この時期にはリリーが生計を支え、クレーが主に育児を担った。1911 年にミュンヘンの前衛グループ「青騎士」が旗上げされるとその活動に加わり、翌年の第2 回展に出品。この頃、子どもの絵や開芸術への関心を深めたが、それは「青騎士」の問題意識とも呼応するものだった。1912 年、パリにドローネーを訪ねた後、1914 年のチュニジア旅行を象徴的な転機として、色彩を純粋に、運動と浸透の感覚をもって組織する術を体得。以後、ゆるやかな解体の契機をはらんだ画面分節は、クレーの主要な造形的関心事となる。1916 年に徴兵され、ドイツ兵として第一次大戦に従軍。この間に画家への評価は高まっていった。戦後の1920 年は彼のキャリアの画期となり、最初の大規模な回顧展、最初のモノグラフ2 種の刊行、造形学校バウハウスへの招聘といった出来事が相次ぐ。1925 年、画廊との契約解消により、クレーは自作の価格を等級づけて管理するようになる。1931 年、バウハウスを辞してデュッセルドルフ美術アカデミー教授に就任するも、1933 年、ナチスの政権掌握に伴い解雇。ベルンへ亡命する。晩年には主に、破壊された記号のような線が画面に散らばる独自の様式を展開するとともに、単純で遊び心に満ちた素描に比類のない境地を示した。1940 年、ロカルノ近郊ムラルトで死去。

会  期:2015年9月19日(土)-11月23日(月・祝)
休 館 日:月曜日、9月24日(木)、10月13日(火)
       *ただし9月21日、10月12日、11月23日は開館
開館時間:午前10時~午後6時
       *金・土曜日は夜間開館(午後8時まで)
       *入場は閉館の30分前まで

主  催:兵庫県立美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
後  援:スイス大使館、公益財団法人伊藤文化財団、兵庫県、兵庫県教育委員会、
        神戸市、神戸市教育委員会
特別協賛:大日本印刷
協  賛:ライオン、清水建設、損保ジャパン日本興亜、きんでん、非破壊検査、
        一般財団法人みなと銀行文化振興財団
協  力:パウル・クレー・センター(ベルン)、パウル・クレーズ・エステート(ベルン)
        スイス インターナショナル エアラインズ、ホテルオークラ 神戸、株式会社フェリシモ
企画協力:DNPアートコミュニケーションズ

観 覧 料
一般1,400(1,200)円、大学生1,000(800)円、
高校生・65歳以上700(600)円、中学生以下無料
 *( )内は、20名以上の団体割引料金
 *障がいのある方とその介護の方1名は各当日料金の半額(65歳以上を除く)
 *割引を受けられる方は、証明できるものを持参のうえ、会期中に美術館窓口で入場券をお買い求めください。
 *県美プレミアム展の観覧には別途観覧料金が必要です。(本展とあわせて観覧される場合は割引あり)
 *クールスポット期間7月1日(水)から9月30日(水)までに本展ご観覧の方に、
  12月8日からの特別展「ジョルジョ・モランディ展」の特別招待券を進呈。

■■関連イベント■■
記念講演会
 
①「転義する個人言語 -パウル・クレーの詩学」 9月20日(日) 14:00~(約90分)
 
  講 師:石川潤氏(宇都宮美術館学芸員/本展企画者)
  会 場:ミュージアムホール  聴 講:無料(定員先着230名・要観覧券)

②「自然に<触れる>絵画 -パウル・クレーのイメージ・コード」
 10月18日(日) 14:00~(約90分)

  講 師:前田富士男氏(中部大学客員教授)
  会 場:ミュージアムホール  聴 講:無料(定員先着230名・要観覧券)

学芸員による解説会 9月26日(土)、10月10日(土)、11月7日(土)、11月21日(土)
  各日16:00~(約45分) 
 
  会 場:レクチャールーム  聴 講:無料(定員100名)

ミュージアム・ボランティアによる解説会  会期中の毎週日曜日 11:00~(約15分)  
 
  会 場:レクチャールーム  聴 講:無料(定員100名)

こどものイベント
 「こども鑑賞ツアー」10月24日(土)13:30~15:00 *事前申込み
 
  会 場:企画展示室及びアトリエ2
  参加費:100 円(定員20 名)
  対 象:小・中学生とその保護者(*高校生以上は別途観覧料が必要)
  要事前申込:こどものイベント係 TEL078-262-0908

ワークショップ
 「パウル・クレーに挑戦!~脳がめざめるアート体験~」 
  10月11日(日)、11月1日(日)各日10:00~、13:00~、16:00~(各回約60分)
  
  会 場:企画展示室及びアトリエ2
  参加費:500円(定員各回50名、応募者多数の場合は抽選)
  対 象:幼稚園~大人 (*小学2年生以下は保護者の同伴をお願いします *高校生以上は別途観覧料が必要)
  要事前申込:往復葉書にて(詳細はHPをご覧ください)
  申込締切:9月29日(10月11日開催分)  10月20日(11月1日開催分)(必着)
  お問合せ:教育支援・事業グループ TEL078-262-0908
  協 力:株式会社フェリシモ

*詳しくは兵庫県立美術館ホームページをご確認ください。

◆チケットプレゼント 終了◆

「パウル・クレー  だれにも ないしょ。」の招待券チケット応募は終了いたしました。
たくさんのご応募ありがとうございました。

兵庫県立美術館
〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号
TEL:078(262)0901 / FAX: 078(262)0903