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エッセイ  「西安、敦煌への旅」

西安、敦煌への旅  弦田康子

 九月下旬、中国の西安へ四泊、敦煌へ三泊の旅をしてきた。
日本と同じ気候で大変よい季節であった。
西安は、六年ほど前に高野山の座主方とご一緒して、弘法大師が遣唐使として入唐してから千二百年になるということで、
仏教の奥義を授かる西安の青龍寺に至る迄の修行の道を辿る旅に行ったことがあった。
西安は昔は長安といって栄えた都であったので、今では多くの観光客が来る為きれいに整備されている。
繁華街には、若者が、東京の渋谷の十倍十五倍もの人数が集まっていた。この光景は、これからの中国には希望があって
羨ましいと感じた。日本は老人ばかりなのに・・・。
 敦煌は、今迄行くチャンスはあったのだが折悪しく行けなかった地であったので楽しみに出掛けた。
職業柄、「日中文化交流協会」という全国組織のメンバーでもあるので、多くの文化交流の場にかかわっている方だと思うのだが、
敦煌の旅は、今迄見て来た中国の中で最も感動を新たにした地であった。中国というとてつもなく広大な土地を持つ国の
国創りの戦いの歴史を最も強く感じた旅であった。漢詩に詠まれている、陽関、玉門関の重々しくデカインコト!インドへ続く
砂漠の続くこと続くこと!これらは、今の中国は、全てこの道からなのだと深く感じさせられた。勿論、世界遺産の莫高窟は、
仏画の壁が美しく残されていたことも感動であったが、それより何より、当代の習近平氏の言う「一帯一路」という考えが生まれてくる、
その元をみた気がしている。恐るべし中国である。

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