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風の刻

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「東洋的な謎」が隠されている

 鬼頭恭子先生の作品には、日本の伝統とヨーロッパの伝統の双方が見受けられます。キャンバスや油彩など、ヨーロッパ由来の材料、テクニックを使っていますが、作品のもとになっているアイディアは日本のものです。そして東洋的な謎が隠されているように見えますし、宗教的かつ哲学的な意味合いが
深く、瞑想的でもあります。
 これらの特徴は「風」のシリーズに最もよく当てはまり、この世の見方を変化させる不思議な流れのことを思い出させます。私たちの存在は意識せずに変わっていきますし、思い出も同様です。いつまでも変わり続ける四季の移ろいについても考えさせられますし、永遠の宇宙では全ての事柄が何度も起こっ
たりするという考え方にも思い至るのです。
 昔からの説によれば、生きている人間の魂は、いつまでも生まれ変わっていきます。そして何度もこの世に現れてくるのですが、毎回、国や時代が異なります。鬼頭先生は作品を遠して自分を表現しており、創作を行うことによって生まれ変わろうとしています。そして永遠の魂は毎回、先生が形作る世界に現れ、宿っていくのです。

エルミタージュ美術館学芸員
イリヤ・アンドレツォフ

>>>イリヤ・アンドレツォフ
サンクトペテルブルク芸術大学卒。エルミタージュ美術館
西ヨーロッパ芸術史郎学芸員、ロシア作家連盟会員。

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