無意識にせよ、人は何かしら考えている生き物といえる。ということは、
人は日常の大切な事柄などはもとより、興味や関心があるものに対して、
自然に頭に浮かんだり考えていることになる。
美術的にみれば、私の中では抽象画や具象画などの好きな作品が自然に
浮かんでくる。
「人間は考える葦である」とパスカルが言った。それを美術史的にみると、
美術を頭で考えた概念芸術もあり、ミニマルアートもあり、抽象にこだわる
人、具象にこだわる人、自分の画風にこだわる人、観念にこだわる人等々、
いつの時代にも美術や絵画の主義や主張の歴史がある。つまりアーティス
トの数だけ無数の考え方があることになる。だから、頭で思考したことで、
どの考え方を選択しても自由といえる。つまり、選択したその考え方が個性
となる。だから、人は表現として考えたことを行えば良いのだ。その考え方に
こだわりを持って実践するのも自由であり、こだわりがないのも自由なのだ。
だから抽象画も具象画も隔たりなく描くのも自由といえる。故に私の中では、
抽象も具象も関係なく、自由で解放感に満ちた制作をすれば良いと考えている。
同時に私は「思考と色彩」、つまり考えることと色彩が私のモチーフと考えて
いる。そこで、多くの作品を見ている評論家から「色彩の魔術師とでもいえよ
うか。」あるいは「色彩のパワーが生かされている。」など、そう評されるのは
やはり嬉しく感じている。
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