林光洋個展輪廻転生〜アポトーシスと縄文土器〜
2021年3月19日 〜 2021年5月3日
kuraya gallery(ひるげゆうげ くらや内併設)
TEL:029-896-3357
林 光洋 個展
「輪廻転生~アポトーシスと縄文土器~」を開催
このたびkuraya gallery(ひるげゆうげ くらや内併設)では、3月19日(金)〜5月3日(月)にかけて、林光洋個展「輪廻転生〜アポトーシスと縄文土器〜」を開催いたします。茨城在住のアーティスト林光洋は、19歳の頃より油絵の技法を学び、当初は、農家・漁船・橋・登り窯などを題材として二紀展に応募し、1971年の初入選以来15回の入選を重ねてきた。今回の個展では、「輪廻転生」を主課題として、テンペラ油彩画と縄文土器(土偶)の作品を発表いたします。
<ステートメント>
私は「輪廻転生」の謎をいまだに解き明かしていない。
輪廻転生について考えはじめたのは、1986年のチェルノブイリ原発事故後の先天性障害児の写真を観た時のショックからであった。この時、この悲惨さを絵で表現できないか、二度とこのような事故を起こしては欲しくはない、こんな思いから障害児童を描きはじめたがそれはグロテクスであり感動ではなかった。
思い悩み試行錯誤のあと、辿り着いたのは「細胞の死は次の誕生を予感している」であった。
そこから個体をより良い状態に保つために積極的に自死を引き起こす細胞「アポトーシス(死滅細胞)」をデフォルメして抽象画で表現しはじめた。様々な人々が解き明かそうとした「人間の死と誕生の繋がりは如何にあるのか」のわたくし成りの考えである。
同時期、縄文土器に出合い、縄文研究の諸先輩より拝聴し深く献策してみると、縄文人は「死後転生」を強く信じていたらしく、土器・土偶はその思いを込めて製作されたものと思われた。女性や子供の死には模造した土偶を死体と共に埋葬されていたことなどから、やはり彼らは、「死後転生」を信じてきた様だ。此のことは私の「輪廻転生」の謎解きの一助になるものとなり、縄文人になった気分で土器・土偶の製作に丹精を込めてきた。
やはり縄文土器・土偶は、単なる装飾品ではなく、人間の死後への思いを込めていることを感じた。
展示作品を御観覧して頂いた皆さんのご意見を是非とも拝聴させて頂き更に疑問の解消をしたい。
其のことがアポトーシス、縄文人の転生であろうか。