PAGETOP

山中南実 写真展 「meno mosso」

2022年4月19日 〜 2022年5月1日

Koma gallery

場所:東京都目黒区三田1-12-25 金子ビル201

TEL:080-6547-2580

山中は、「日常のなかにある生」をテーマに、身の回りの事物を被写体としてコンスタントにスナップショットを撮り続けている新進作家である。
本展は昨年2021年にKoma galleryにて開催された「andante」シリーズの作品となる。写真展タイトルの「meno mosso」は”今までより遅く”という意味の音楽用語だ。
主な被写体は拠点とする東京のランドスケープや草木などの自然、山中自身の身近な人物など幅広く、つかみどころがない。一方、日常のなかで気に留めることがない太陽の動きや、季節の移ろいといった、あたりまえに存在している自然のあり方に着目することで、地球の仕組みや成り立ちともいえる変化を捉えている。日ごとに移ろいゆく物事に対して瞬間的に反応し、写真に収めていく。
山中にとってこれらの写真は、忙しなく日々を送るうちに希薄になっていく生の感覚を取り戻す瞬間だという。身近なものをていねいに見つめる、柔らかく優しい雰囲気の写真が並ぶ。
 
“いま肌で感じることのできる風と、これから吹く風は違うもので
明日会うあなたは、今日より1日大人になっている。
外形が似ていても全く同じものにはもう触れることができなくて、
あまりにも瞬間的なそれらは、よそ見しているあいだに見過ごしてしまう。
写真に撮ることで少しでも今日の姿を忘れずに済むだろうか。
変わっていったとしても写真が形として残ってくれるだろうか。
未来の姿も素敵だろうけれど、わたしがそれに立ち会えるかはわからない。
カメラを持ちひたすら歩いて、ただそこに存在しているものを見つめる。
わずかに移ろいゆくものを、見落とさないようにしたい。
少し元気になったらまた動き出そう、歩くくらいの速さで。”
(作品キャプションより引用)