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国島 征二 展「記憶の成層圏Ⅸ – SEALED TIME -」

2022年6月25日 〜 2022年7月10日

L gallery

場所:愛知県名古屋市名東区本郷1-43 The Apartment LiF F-1

TEL:052-774-5599

名古屋市名東区の L gallery では、2022年6月25日(土)より 国島 征二 展「記憶の成層圏Ⅸ – SEALED TIME -」 を開催いたします。
今年3月に惜しまれつつ逝去した国島征二。今展では幅広い年代の貴重な作品が展示されます。
 
長きに渡り国内外で活躍してきた国島征二。1937年、名古屋市生まれ。愛知県立旭丘高校美術科卒業。現在の武蔵野美術大で学び、中退後、名古屋に戻って制作にあたります。
1967年から名古屋市中区・桜画廊で作品を発表。70年代半ばから90年代前半ばまでロサンゼルスを制作拠点とし、1990年代半ば愛知県岡崎市(旧額田町)の山中に住居兼アトリエを構えました。
 
主な作品としてアルミニウム合金や黒御影石、ブロンズを用いた彫刻「積層」シリーズや身近な物を透明樹脂、鉛などで記憶と共に封印した「Wrapped Memory」シリーズ、ドローイングなども精力的に制作。
また、M/Mローダマンロックフェラーやサンフランシスコ空港、名古屋市東山動植物園前などパブリックアートも数多く手掛けてきました。
加えて名古屋市中区栄・ギャラリーU、名古屋市昭和区・ASGがらん屋のディレクションを手掛けるなど、東海地方にとって重要な役割を果たしてきた作家でもあります。
 
以下DMより)
 2022年3月7日、国島征二が亡くなった。今年6月、9回目となる個展の約束をしていた。「来年、頼むよ!新しい積層の型も、もう用意ができているんだ」昨秋、訪ねてきた時、そんな風に話していたのだが…。
 
 未だ実感が伴っていない、というのが本当のところでもある。だが額田の山の頂、あのアトリエに足を踏み入れても姿を見つけることはできない。そこで初めて、大きく暗い雲のような不在感に襲われるのだった。
 
 話すのは得意ではないから作品で語る、ものづくりは言葉を見つけることと同義である。かつて彼はそうも口にしていた。ならば、身体という容れ物は失われても、作家の記憶や時は作品に封じ込められているとも言えるだろう。しかし、それ以上に彼の存在自体が、千の万の言葉を尽くすよりも遥かに強いメッセージを放っていたのだ、と今は思える。
 
 最期まで作家として生きた人。ものづくりが生きることそのものであり、生涯、己の美学を貫き続けた国島征二。今一度、作品と対峙し、彼の遺した「言葉」を聴きとっていただければと思う。