PAGETOP

柴川敏之|2000年後のなんでそんなん発掘調査展

2024年3月5日 〜 2024年3月31日

イドノウエ tiny art point

場所:岡山県都窪郡早島町前潟126

TEL:086-482-0002

見慣れた日用品を化石にすることで「2000年後に発掘された現代社会」をリアルな形で提示する美術家 柴川敏之。柴川は、火山噴火によって一瞬で姿を消したイタリアのポンペイなど「突如消失した文化の痕跡」との出会いをきっかけに制作を続けている。スマートフォン、キューピー人形、トロフィー、マスク、車椅子など、モチーフも様々。携帯電話一つをとってみても時代を感じさせるものであり、同時に「社会」を連想することになる。
一方、「なんでそんなんプロジェクト」に集まった事例には、他者から見ると理解しがたい行為や、痕跡としての物を主体とし、「個人」に由来するものが多い。そして、既製品のように、誰もが分かる形のものが少なく、一目で理解することが難しい。もともと他者から理解されづらい行為や物が「なんでそんなん」の特徴だが、これらが 2000年後に化石として出土したなら…。本展は、化石化した「なんでそんなん」な物ばかりが並ぶ展覧会。2000年後の考古学者が不可解な出土品を見つけ、「想像力を駆使して理解しようと試みたなら」。そんな研究調査の過程と成果をご覧ください。
 
 
会期
前期|2024年3月5日(火)~3月16日(土)
後期|2024年3月20日(水)~3月31日(日)
※3/31(日)最終日は開廊
時間|10:00~16:00
定休|日、第1・第4月
会場|イドノウエ (岡山県都窪郡早島町前潟126)
観覧|無料
 
【前期・後期について】
【会期前半】は、化石作品に「詳しい記述の無いキャプション」を配し、発掘されたばかりの出土品を皆さんが未来の考古学者になったつもりで想像力を駆使してご覧いただけます。
【会期後半】は、「詳しい記述の有るキャプション」を配し、不可解な出土品の名称や経緯が解明されます。会期中に二度足を運んで頂けると、さらに「2000年後のなんでそんなん」な世界へ皆さんを誘うことでしょう。
 
——————————
 
【トークイベント】
日時|2024年3月31日(日)14:00 – 16:00 
会場|ハナレ(イドノウエ横)
登壇者|柴川敏之、柴川弘子(ESD研究者)、
    柳沢秀行(大原美術館学芸統括)、小森真樹(アメリカ文化・ミュージアム研究者)
作家自らの家庭やケアにまつわる問題をテーマに展示した『ぼくのおくさん☆柴川敏之展|PLANET HOME』(つなぎ美術館 / 2018)。会場内に展示された作品群と共に、家庭内で起きている事件が語られていました。このように外からは見えにくい、ごく個人的な日常を作品として公開することで、さまざまな人たちが自由に解釈し、考えるきっかけが生まれます。「2000年後のなんでそんなん」も、理解しがたい他者の行為やその痕跡に対して「作品化/化石化」を試みることによって、もともとそこに存在していた行為者や発見者の視点を再度想像し、2000年という壮大な時間軸を背景に多様性について思考します。柴川氏のパートナーであり、ESD研究者(岡山大学助教)の柴川弘子氏(持続可能な開発のための教育)を始め、大原美術館学芸統括の柳沢秀行氏、アメリカ文化・ミュージアム研究者の小森真樹氏(武蔵大学准教授)をお迎えし、子育てや介護、家庭など身近な「なんでそんなん」を足がかりに、トークを通して一緒に考えることができたらと思います。
 
 
主催|ぬか つくるとこ 
企画|そのうち国際芸術祭 
助成|公益財団法人 福武教育文化振興財団 
 
【なんでそんなんプロジェクト】
自分では「理解しがたい」他者の行為やデキゴトを「なんでそんなん」と名付け、それに対してツッコミを入れて面白く捉え直す「プロジェクト」です。日頃よりホームページの投稿フォームより、皆さんの身の回りにある「なんでそんなん」を募集しています。(運営|ぬか つくるとこ)nandesonnan.com
 
【柴川敏之 SHIBAKAWA Toshiyuki】
美術家。1966年大阪府生まれ。広島大学大学院修了。イタリアのポンペイ遺跡など、突如消失した文化の痕跡に触発され、「2000年後から見た現代社会」をテーマに制作を続ける。ミュージアムをはじめ、歴史的建造物や商店街など、地域や場所にこだわった展覧会やプロジェクトを展開。同時に多様な人々を対象にしたワークショップを行っている。就実短期大学教授。
toshiyuki-shibakawa.com