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石をやく 土をやく 樂雅臣 樂直入Firing stone/Firing clay Masaomi Raku/Jikinyu Raku

2024年1月2日 〜 2024年1月29日

美術館「えき」KYOTO

所在地:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹7階隣接

TEL:075-352-1111

「石が土となり、また土は石となる」のは地質学的時間、つまり循環する宇宙時間のなかで起きている。この石と土との間で、人類はやくという行為によって器を制作してきた。すなわち「やきもの」である。京都の地において、初代長次郎(1589年没)を祖とする樂家に、茶碗という究極の造形の存在に対して、石から、土からそれぞれのアプローチを行っている2人の芸術家がいる。
初代長次郎は千利休の侘び茶の心を汲み、装飾的要素を排除した、画期的な赤と黒の樂茶碗を創出した。それから約450年。樂直入(1949-)はこの石と土との関係性のなかで、様々な挑戦を行ってきている。2019年に15代樂吉左衞門から樂直入へと改名した後は、侘び茶の思考や伝統から離れて、京都市の最北端、山間の小村に住まいし、純粋造形としての茶碗の制作に没頭している。そして2022年には「White rock」と仮称される茶碗の展覧会をロンドンとドーハで発表した。始め仮称であった「白い巖石みたいな茶碗」即ち「White rock」の名称は、今では海外でも広く認知されている。「White rock」があれば当然「Black rock」もある。本展ではその両方が出品される。
樂直入の次男である樂雅臣(1983-)は石の彫刻家として知られているが、2023年には長年構想してきた「石器」シリーズを発表した。溶結凝灰岩から茶碗の造形を彫り、さらに焼成することにより、溶融と非溶融の状態となり、不動であるはずの存在が重力によってわずかに動く彫刻作品。そこには、石と土との関係性において、雅臣がかつて発表した「輪廻」、「Stone box」シリーズと同様に、輪廻というテーマがある。直入は雅臣の作品を「まるで地底から湧き起こった様に太古からそこに存在したかのような佇まいをしている」と評している。
本展では樂雅臣の新作「石器」シリーズの彫刻作品と樂直入の「Black rock」、「White rock」の茶碗などを中心に展観する。
 
開館時間:午前10時~午後7時30分(入館締切:閉館30分前)
入館料(税込):
一般 1,000円(800円)
高・大学生 800円(600円)
小・中学生 600円(400円)
 
※( )内は前売料金。「障害者手帳」をご提示のご本人さまとご同伴者1名さまは、当日料金より各200円割引。
※高・大学生の方は学生証をご提示ください。